木城派遣求人
木城町の派遣求人一覧。派遣の求人・お仕事探しなら人材派遣会社の【女性の為のお仕事】。日本最大級の求人数を持つスタッフサービスでは、豊富な求人情報からあなた
以前、県外のデリヘルで働いていたのですが、そこはお客様も非常に少なく、お茶ひく事が珍しくないお店でした。やる気もなくなって、もう移店を考えようとしていた時、あるお客様に出会って変わりました。
遅番で、もう閉店前1時間くらい。『今日もオープンから1人しかついてない……。もう帰る準備しよ』と、メイクを落とし、片付け、あとはコールで「お疲れ様」を待つだけの状態でした。
その時コールが鳴り、私は帰り支度万全で出ました。すると……
「レイ(源氏名)さんラストのお客様お願いしまーす」
『えぇ~!? 無理無理、スッピンだしヤバいでしょ?』私はメイクで整形級の変わりようになるので、素はヤバいです!!!
「ごめんなさい、もう今日は……」
私は断りました。でもボーイさんは
「レイさん指名なんだよ。まぁ、最後だしお願いします!!」
『指名なんて聞いたらバックもあるし、もう捨て身覚悟でやるか。でもなるべく顔は見えないようにしよう』と承諾。別にネットで叩かれようがもう辞めるし! ってヤケでした(笑)
そしてエレベーターでお出迎え。私は下向きに
「レイです、こんばんは」
お相手の顔も見ず、3階まで無言のエレベーター内……。『このお客さん、なんでこんな無言なの? あっ、写真と違って怒ってるのか? やっぱやめとけばよかった』そうこう思ってるうちに部屋にご案内。部屋の照明を暗くして
「あらためましてレイです、本日はご指名ありがとうございます」
挨拶をして顔を上げると……。
『えっ!!?』
なんと以前、私が働いていた会社で同僚だったKさんという方! 彼は25歳、仕事仕事で女には興味ありません!! みたいな、仕事人間。以前、会社の女の子が夜キャバクラのバイトをしていると話してた時なんて、その子に向かって
「人として外れてる、頭が悪すぎる」
と、罵倒してたくらいです。私はそんな真面目な彼に好意を持っていた部分もありました。
『偶然? でも違うかも。彼も男だしこうゆう欲求もあるのは当然。知らないフリで通すか! しかも今の私の素顔で分かるはずがない! それにもう関係ないし』私は、どんな自信か開き直って話を続けました。
「初めてですよね? どうして私を指名してくれたんですか? あまりこういう所には来られない感じですが……」
すると彼がやっと口を開いて
「そう見えます? 実は好きじゃないんですよ……」
「あっ! お付き合いですか? 大変ですよね、接待も」
そう私が返した所、彼は重々しく
「いえ1人です。確かめたくて……。実は一昨日、前に職場で一緒だった子を見かけたんです」
『うゎ……。やっぱりバレてるのか? うゎ……どうしよう』私はバクバクしながら聞いていました。彼は言葉を続けて
「変な奴だと思わないで下さいね? 実は僕、その子に告白できないまま、彼女は会社を辞めてしまったんです。それからもう仕事に身が入らなくて。不純だけど今まで、彼女がいるから良く見られたくて一生懸命頑張っていたんですけど、もうなんで頑張ってるのか分からなくなってね」
びっくりしました……。でも私はいつものソープ嬢を装い
「そっか……。辛いね。もしかしてその子が私に似てるとか(笑)?」
と私が茶化したところ、彼は
「はい、ごめんなさい。だから一昨日、貴女を彼女だと思って、気が付いたら追いかけてて、このお店に入ったので。でもまさか……、有り得ない……。あっすみません。失礼ですよね。そう思って1日考えてたんですがやっぱり気になって」
『Kさん……、私のこと……。ダメダメ。彼には知られたくない』私は何とかごまかそうと
「そうなんだ。でも私じゃないよね? 世の中似てる人たくさんいるし、私、会社勤めたことないから……。恥ずかしいけどね」
「そうですよね……」
「もう時間も少ないし、今日は私をその子だと思って……ね?」
私がそう言うと、彼は泣きそうな顔で優しく私を抱いてくれました。お風呂にも入ってない……。違反ですが嫌じゃなかった。それに彼から石鹸のいい香りが。真面目な彼は私に会うためにきっと、仕事帰りに銭湯でもいってきたんでしょう。
あんなに優しく抱かれたのは初めてでした。普段は人形のように商品として扱われてるこの体、初めて人として女として触れられてる様な……。
終わった後、彼はなにか躊躇するように
「君はすごく優しい子だね。今までこういう世界を嫌悪してきたけれど、癒されるってあるんだね。君に会いにまた来てもいいかな? 彼女を重ねて申し訳ないけれど、また仕事を頑張れる気がする」
「私こんなみっともない顔してるんだよ……。彼女はキレイな子でしょ?」
彼はちょっと笑って
「ううん、似てる。そういう謙虚なとことか。顔じゃなくて雰囲気だよ」
『そりゃ本人だからね……』
私は心の中で思いました。そして嬉しさを抑えて言いました。
「会いにきてくれるならいつでも来て下さい。彼女の代わりでも貴方がお仕事を頑張れるなら応援したいから。でもこんな所でしか応援できなくてごめんね」
「ありがとう。明日からまた頑張ってみるよ。君に会えて本当に良かった。人違いだけど、間違いではなかった」
そう言って彼は帰っていきました。
その夜、私はもう少しこのお店で頑張ってみようと思いました。お金のためだけに入ったこの世界、違う事にも目を向けて人のために……って。
Kさんは週に一度は私に会いに来てくれて、話をしてくれました。段々もとの、私が知ってる頃のKさんを取り戻し、一年ほど経った頃、課長に昇進したと教えてもらいました。それからは彼女もできたらしくもうお店に来ることはありませんでした。
『もし会社を辞めてなかったら私とKさんはどうなっていたんだろう……。ここにいるのが私だと打ち明けたらどうなってたんだろう』そう考えるとすごく切なくて、悲しくなります。
でも、私の存在、こういうお仕事をしてる女の子みんなが、男性にとっての癒やしにならないといけないと思います。技術も、器量も大切だけど、やっぱり結局は人と人。心がある者同士、埋め合っていけたらいいと思います。
私も今では昼職に戻りましたが、やはりこの仕事は、様々な出会いで人と深く触れ合える仕事。お金ももちろんですが、それ以上に人として成長できる女性にとって最高の職ではないのでしょうか?
賛否両論、否が圧倒的に多い現実ですが、私はそう思います。
https://twitter.com/dispatch_job